木材腐朽菌はダイオキシンのような化学物質をも分解する能力を持っている。
この特性は、植物死骸、枯れ葉などの高分子炭水化物であるリグニン、セルロースを分解、、
更に組織に含有するタンニンなど多くの成分をも分解することが知られている。

このことから、木材腐朽菌は植物アレロパジー物質をも分解し、植物生態系に深く関与している。
作物でではアスパラカス、野草ではセイタカアワダチソウが、
アレロパジー物質を分泌していることが知られている。
この二つの植物から木材腐朽菌とアロレパジーの関係を観察してきた。


植物にとって生きるための場所取り、陣地どりは、特に多年草にとって生命を継続させ、
子孫を繁栄させるために極めて重要なことである。
生長が速く、大型の一年草は大敵である。
多くの場合多年草の発芽して間もない時期は、光争奪戦で生長の早い大型の一年草から負ける。
この問題をどうするか。
この問題を解決するために生まれたのが・・・毒素分泌・・・アロレパジーである。
他の植物の発芽を抑制して・・・場所取りを確保するという作戦である。
ところが・・・・
この毒素は・・・己をもむしばみ・・・生育を抑制してしまう。
薬にもなり・・・毒にもなる。
こういうことで、アスパラカスは新しい畑に植えた場合は収穫が多いが、
同じ畑に改植した場合は・・・収穫は激減し・・・70%どまりになる。
セイタカアワダチソウは、新しい土地では2mにもなるが、
数年後には1m程度になる。
土壌に蓄積したアロレパジー物質は・・・・毒素を出した植物をも生育抑制してしまう。
しかし・・・絶滅させることはない!
なぜだ・・・????

このステージに木材腐朽菌が関与していると宇井 清太は睨んでいる。
他の雑草に負けないほどの群落を作るまではアロレパジーで場所取りし、
群落完成後は・・・・木材腐朽菌の分解能力でアロレパジー物質を分解する。
こういう巧妙な作戦を構築しているのではないか???
しょくぶつ自身が生産する枯れ葉、茎を木材腐朽菌に与え、
代わりに・・・アロレパジー物質を程よく分解して頂く・・・。
絶滅しない・・・程度に・・・。
場所取りに成功した後は・・・ほどほどを維持持続しながら・・・永年生き続ける作戦。
多年草、宿根草は同じ場所で永年生き続けなければならない宿命である。
一年草のように今年はこの場所、来年は別な場所・・・というわけにはいかない。

土壌の浄化という木材腐朽菌の作用の一つに、アロレパジー物質分解という作用もある。
連作障害、嫌地現象の中に、木材腐朽菌削除の栽培があるのかもしれない。
畑では起きるが、自生地では起こらない・・という理由は、
枯れ葉、植物死骸のリグニン、セルロースと木材腐朽菌が深く関与していると考えられる。


木材腐朽菌を「解毒剤」として・・・利用している。
こういう共生関係も・・・共生関係の変種として構築されている!







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多年草のアレロパジー物質と木材腐朽菌             
       
多年草の場所取りと木材腐朽菌の微妙な関係

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